E-motion

2013.05
Seian ART-SITE, Shiga
《E-motion》は、メディアアートと脳神経科学の知見を組み合わせ、人の「感情」を探ろうとする「芸術×科学」融合プロジェクトである。
作品の鑑賞者は壁面にプロジェクションされた男性(または女性)の顔の映像を見る。はじめに無表情の男性(または女性)の顔を鑑賞し、鑑賞者の脳の活動を脳波測定装置を用いて計測する。その時のデータ(脳波パターン)をデフォルト値とする。次に、映像の男性(または女性)が表情を変え始める。ある時は激しい怒りの表情へと、またある時は悲しみにあふれた表情などへと変化する。この時、鑑賞者にも映像の人物と同じような表情の変化が見られたり、同一の感情(脳波パターンが変化する)が生起する。そしてこれらの変化がピークに達した後、鑑賞者の表情や感情は、通常の状態(デフォルトの脳波パターン)に戻ろうとする。このタイミングで鑑賞者に対して別の表情の映像を見せ、新たな脳の反応を誘発させる。これが《E-motion》において構築したフィードバック・システムである。
脳神経科学研究において、人が他者の身体活動などを見た際、それを脳内で模倣するミラー・ニューロンの存在が知られている。同じように「もらい泣き」のように、他人の感情が脳内で模倣され、同じ(似た)感情を生成することが考えられる。《E-motion》では、こうしたミラー・ニューロンの仮説をふまえながら、映像による感情表現と鑑賞者の情動変化の関係を探ることを試みた。
E-motion is a project that the researching human emotion by combination between art and science using techniques of neuroscience.
This work is projected the image onto the wall of gallery.